セロリ農家の鈴木さんを訪ねて

 
愛知県のセロリ出荷量は全国4位。県内では田原市が大きな産地となっています。

セロリが育つ様子は、他のハウス栽培での作物も同様ですが、キャベツやブロッコリーのように露地栽培ではないため、地元に住む私たちでも普段なかなか目にすることがありません。
 
いったい、セロリがどのような状態で育ち、収穫作業が行われているのでしょうか。
 
今週は、J A愛知みなみ田原洋菜部会のセロリ生産者、鈴木さんの栽培ハウスにおじゃましました。
 


 
田原市の奇祭として知られる「おたが祭り」で有名な「長仙寺」付近にある鈴木さんのハウスではちょうど今、セロリの出荷作業が始まったところです。
 
鈴木さんと奥さん、息子さんと80歳になる鈴木さんのお父さん、パートさんと、皆んなでセロリを収穫していました。
 

 
育ったセロリは大きな株になると5kgほどの重さになるものもあり、カマで根元から切り、それを袋詰めにしてトラックへ運ぶ作業となると、かなりの重労働とのこと。
 
太陽の光を受けて青々としたセロリは土からこんなにも真っ直ぐにどっしりと、たくましく伸びているのですね。
 
ハウスの中は収穫したばかりのセロリの爽やかな香りで満ちています。このセロリの独特の香りは精神を落ち着かせる鎮静効果があり、イライラや頭痛を和らげる効能があると言われています。
 

 
親子三代、後継ぎである20代の息子さん、鈴木さん、80歳のお父さんが、息の合った間合いで手際よく収穫作業を進めていました。
 

 
味が良く、見た目も綺麗なセロリを育てるためには、毎日の日照や天候の加減を見ながらの水やりの調整など、細やかな配慮が必要だと語る鈴木さん。生産者さんの愛情がたくさん詰まった美味しいセロリが全国の皆様に届きていきますように。
セロリの出荷は今の時期から春先まで続くそうです。
 

 
この日の夜は、お土産にいただいたセロリでスープを作りました。
 
 
 


 
こちらはおまけの写真。帰り際に立ち寄った「長仙寺」にて。江戸時代に建てられた山門の中央向かって左辺りをよく見ると・・・一匹の猫がじーっと佇んでいます。住職に聞くと野良猫のようでしたが、「どうやらこの場所がお気に入りのようでね。」とのこと。山門の下におられる仁王像と共に、長仙寺の守り主(猫)のようです。
 

 
 
report and text / Masami Araki
photo / Koshi Asano
2020.12.22